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「きれいな髪ね。そうね全体に軽くして、
前髪を結わえたら、どうかなあ。
学生らしくててかわいいと思うわ?」
「はあ。」
あたしはカットハウスの椅子の上、
仁王立ちする羽鳥の前で
お姉っぽい、ヘアースタイリストさんに髪をいじられている。
「あのー切らなきゃダメですか?」
「あら、綺麗になりに来たんじゃないの?
このままでも日本人形みたいで外国人受けするでしょうけど、
ここは日本だしねえ、下手すりゃ
サダコか呪い人形かって感じよ?」
「はあ、でも、縛っていればお金かからないし
前髪だけなら自分で切れるし」
「ダメ!せっかく女に生まれたんだから美しくなきゃ、
それじゃあおばさんよ?
それに薄く短くなればシャンプーの減りが少ないわよ」
「ああ、別に石鹸で洗ってるし…」
「きゃあ、なんてこと!ダメダメそんなの。
将臣!何とかしなさいこの子
女としての自覚なさすぎよ。」
「兄貴、そいつの言うことは無視してバッサリとやってくれ。」
兄貴~~???
この人、羽鳥のお兄さん??
呆気にとられてる間に
ジャッキ
ぎゃあぁぁ
背中の真ん中まで伸びていた髪が肩のところでバッサリ切られた。
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