§1 食券1週間分

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「きれいな髪ね。そうね全体に軽くして、  前髪を結わえたら、どうかなあ。  学生らしくててかわいいと思うわ?」 「はあ。」 あたしはカットハウスの椅子の上、 仁王立ちする羽鳥の前で お姉っぽい、ヘアースタイリストさんに髪をいじられている。 「あのー切らなきゃダメですか?」 「あら、綺麗になりに来たんじゃないの?  このままでも日本人形みたいで外国人受けするでしょうけど、  ここは日本だしねえ、下手すりゃ  サダコか呪い人形かって感じよ?」 「はあ、でも、縛っていればお金かからないし  前髪だけなら自分で切れるし」 「ダメ!せっかく女に生まれたんだから美しくなきゃ、  それじゃあおばさんよ?  それに薄く短くなればシャンプーの減りが少ないわよ」 「ああ、別に石鹸で洗ってるし…」 「きゃあ、なんてこと!ダメダメそんなの。  将臣!何とかしなさいこの子  女としての自覚なさすぎよ。」 「兄貴、そいつの言うことは無視してバッサリとやってくれ。」 兄貴~~??? この人、羽鳥のお兄さん?? 呆気にとられてる間に ジャッキ ぎゃあぁぁ 背中の真ん中まで伸びていた髪が肩のところでバッサリ切られた。
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