§1 食券1週間分

13/13
前へ
/98ページ
次へ
「これ、俺の彼女。  俺たち付き合うことにしたんだ。」 「そうなんだ?  へえ、羽鳥くんに彼女できたんだ。  よかったあ。  ええと?」 「あ、望南(もな)です  有川望南(ありかわもな)です。  初めまして。」 近くで見るとますます持って大人っぽい。 「私、中学の時同級生で、  隣に住んでる安土千葉(あづちちよう)っていうの。  羽鳥くんとは、そう、腐れ縁なの。ね?」 「うん。」 「そっかあ、彼女かあ、よかったよかった~」 彼女は心底嬉しそうに羽鳥の背中をバシバシと叩いた。 笑いながら叩かれている羽鳥は、 表情に影がある。 きっと彼女のことが好きだったんだろう。 片思いか。 きゅん おんや? なんか、あたし切ない?
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加