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アタシは、18歳になるまでの間に本気で好きになった恋を一度もしたことがありませんでしたので、サラからの問いに対しましてどのように答えればよいのかわからなかったのでありました。
アタシの初恋は、言うまでもなくリチャードさんでありました。
リチャードさんとアタシは、いとこ同士の関係で一時家庭教師として苦手な数学を教えてくださっただけでありました。
しかし、アタシはリチャードさんを一時男の人として憧れを抱いていましたが、リチャードさんに好きな人ができたことから、アタシはあえなくフラれてしまったのでありました。
アタシが16の時に、クレア姉さんが日本人男性と恋愛結婚をしまして、ハムステッドヒースの家で一緒に暮らしていた時から日本人男性と恋をして結婚をしたいと思うようになりまして、ファーストキスを試みたのでありましたが、残念ながら空振りに終わってしまった思い出などがありました。
したがいまして、アタシはひとりの男の人に夢中になりまして、最後まで愛し続けたと言う思い出はなかったのでありました。
10月20日のことでありました。
ハムステッドヒースの家にリチャードさんがやって来たのでありました。
出身地のフライグブルグ(ドイツ)の親きょうだいのもとを離れて一人暮らしをしていますリチャードさんを心配しまして、アタシの両親はリチャードさんに『ごはんを食べにおいで。』と言うことで、週に1~2度はうちでごはんを食べに来ていたのでありました。
テーブルの上には、コテージパイとプラウマンズとコンソメスープとグリーンサラダが置かれていました。
食卓には、リチャードさんとアタシの両親が座っていました。
パパは、コテージパイのマッシュポテトを食べてからリチャードさんにこう言いました。
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