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ダイニングに戻り、会長と佐和子さんに母を紹介する。
忘れかけていた緊張が私の顔を赤らめ、体温が上昇した。
会長も佐和子さんも普段と変わりなく、穏やかに母を迎えてくれて、
とても…
嬉しかった。
今日初めて会ったというのに、いつものダイニングにはそれほどの違和感もなく、渉さんとがそうであったように、母は遠野の家の二人とすぐに打ち解けていた。
会長のあたたかさと佐和子さんのおおらかさ、母の飾らない性格がよかったのかもしれない。
母が部屋の真ん中にある大きなツリーを見上げて目を細める。
「本当に…素敵ね」
「うん…。渉さんと会長と佐和子さん、みんなで飾りつけしたんだよ」
私が横から言うと、母は一層目を細め、その瞳をわずかに潤ませた。
「だからこんなに…素敵なのね」
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