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とある高校の家庭科室。
オレ達マンガ部の部室でオレ修哉は部員の同級生2人と後輩1人とひたすら紙をおっていた。
今は4月も中頃だがまだ夏に比べて日は短い、5時半過ぎだがもう外はほの暗かった。
「なぁ、まだ終わんないの?」
外を眺めていると、隣で作業をしていた同級生彩十はうんざりした顔で折っていた紙をヒラヒラさせていた。
「んーもう少しやない?」
オレはそう言いながらまだ折っていない紙を見た。
見たところあと数十枚といったところか。
彩十はその紙を眺めながらかけているメガネをカチャとならした。
「なんでこんな事しなきゃいけないんだよー」
彩十はそう言いながら机を挟んで目の前にいる、この作業の元凶を見つめた。
隣にいる後輩は苦笑いを浮かべている。
「すいませんねぇ!サエちゃんに押し付けられたんですよぉ!」
その視線にたえきれなくなったのか、このマンガ部の部長友矢は声を荒げた。
それは今日の放課後、友矢は掃除もなく誰よりも早く部室に来ていた。
その時、このマンガ部の顧問サエちゃんもとい中上サエ先生にあれよあれよといううちに雑用を押し付けられたのである。
しかもそんな時に限ってもう一人の同級生結人は休みそして部員の半数をしめる1年生も全員休みという災難が続き。
結局3年のオレ、彩十、友也、そして2年の舞の4人で百数枚あるであろう紙をひたすら折っているのである。
「まっ、まぁ、あと少しですし、頑張りましょう!」
慌てたようにフォローを入れる舞の姿にオレは、癒やされた。
うん、可愛い、さすが変人が集まるマンガ部の癒やし、可愛いわぁ。
メガネをかけて真面目そうに見える彩十はゲームヲタクだし、前髪を上でとめてある友矢はマンガ部きってのセクハラ魔、何度オレも被害にあったことか。
この場にいない結人も見た目は格好いいのに美少女好きのヲタクというなんとも残念なやつだ。
かくいうオレもヲタクでゲーム好きなんだが、まぁ個性が豊かな部活なのだ。
「そうそうあと十枚ぐらいやろ?もう少し頑張ろーよ」
そう言うと作業が止まっていた2人の手もまた紙を折るためにまた動き出した。
まぁ口々に文句は言っていたが。
舞も2人が作業始めたのに安心したようだ。オレに小さく頭を下げていた。うん可愛いなぁ。
「なぁ、知ってる?」
「「知らん(ね)」」
「ひどいっ!」
オレの癒やしタイムを邪魔したお前が悪い。
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