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----side彩十
最悪だ。俺の17年間ずっと最悪だったけど今日は特にダメな日だ。
まず朝、家を出ようとしたらクツヒモが切れた(おかげで家からでるのがいつもより10分遅れた)。
そして登校中、いわゆる浮遊霊と言われる幽霊と目が合ってしまった(それから学校まで追いかけっこ)。
学校でも筆箱は忘れるわ、誰かが投げたペットボトルが頭に命中するわと不運が続いた。
そして一番最悪なことは放課後の雑用、4人しかいないのに折らなくてはいけない紙は百枚以上あった。
ふざけんなと叫びたくなったよ。はい。でも頑張ったよ俺。でもねあのKYがね。
友矢がね。あいつ怪談話しやがって!!
寄ってきたらどうすんだよ!
被害来るの俺なんだよ!!
俺はいわゆる霊感がある人間だ。
そしてなぜか霊に好かれやすいらしい。モテモテだ(嬉しくない)。
そのせいで、夜は眠れないし、怪談話とかすると寄ってきた霊とかがついてくるから最悪。
そしてなにより怪談話とか恐いじゃないか!!
さっきからカバン持っている手が震える、ブルブルしているわ。
そしてなんか嫌な感じがする。すごくこわい。
「大丈夫か彩十くん?」
「あっ…うん大丈夫だよ」
目の前にひょこっと心配そうな顔を出したのは修哉、それに無理やり作った笑顔を向ける。顔の筋肉つりそう。
そっかぁ、とか言いながら修哉は前を向く納得はしていない顔だった。
人の気持ちとかに敏感だよな修哉は。
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