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「……で、その親戚たちとお姫様はただ一緒に暮らしているだけなのかー??」
「どうしてそう思うの~?」
「いやぁ、Tシャツの下に無数のキスマークがあるのを見ちゃったんだわ。髪で隠れてたけど首にもあったかもしれない」
「きっキスマーク!?」
宇賀神の話にまたしても天磨は素っ頓狂な声を上げる。俺は皇との現場を見ているから大して驚かなかったが、次の響也の言葉にはさすがに目を見開いた。
「……どうやらハクちゃん、親戚の4人に毎日日替わりで朝までずっと抱かれているみたいなんだよねぇ。だからいつも学校で眠ってたんだよ~。家では寝る暇もないからさぁ」
「え、え、どぅえぇぇえええぇぇ!?」
「おいおい…それ、ヤバイんじゃないか?親戚全員に毎日抱かれてるって…あんた、それを知ってながら何もしようとしなかったのか??」
「しようとしなかったんじゃなくて、出来なかった、が正しいかな~。ハクちゃん自身が合意の上でヤってるらしいからさぁ」
「どういう意味だ響也」
「ハクちゃんは親戚の人たちに引き取って貰わなかったら天涯孤独だったんだってぇ。だから一緒に暮らしているだけで感謝してるし、普段は皆優しいからって言ってたんだよね~」
……あり得ないだろ、そんなの。いくら有難いからと言って身体を差し出すなんてバカのやることだ。
「脅されてる、の間違いとかじゃないのかー?」
「ん~、まぁ最初はそれに近かったかもしれないねぇ。ハクちゃんはどうしても恩返しがしたかったんだけど、バイトは禁止だし家事もさせてもらえない。だから何かさせて下さいって頼んだら…」
「抱かせろ、ってことか」
説明している響也の表情がだんだん険しくなってきたから途切れた言葉の続きを俺が言った。頑張って何ともないフリをしようとしていた響也だが、やっぱり辛いらしい。
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