4

23/24
前へ
/275ページ
次へ
次に目を覚ましたときはすでに家の中で、寝ていたベッドと部屋を見れば唯弥くんの部屋だと分かった。 確か昨日は彩人さんだったから、今日は唯弥くんの日。思い出したら納得して、再びベッドに身体を沈める。 制服は脱がされていて、Yシャツ1枚だけを着ていた。冷房がかかっている部屋の中では肌寒く、布団の中に潜り込む。 フワフワの枕は日本では有名らしい、くまのキャラクターの顔の形をしている。他にもぬいぐるみがベッドの周りにも部屋のあらゆるところにも置いてある。 私が動物を好きだからと、唯弥くんがたくさん用意してくれたもの。唯弥くんの可愛い容姿にピッタリの部屋は、私も大好き。 ふと、ミッフィーちゃんのぬいぐるみが視界に入ってきて、思い出す。あの日、追いかけたウサギさんのことを。 志龍さんが引き取ってくれたけれど、もう一度あのウサギさんに会いたい。そういえば、志龍さんも動物が好きだと言っていた。 色んな動物を飼っているから遊びにおいでとも言ってくれた。 ……それが叶う日は、やってくるのかな。 出来ることならば志龍さんのお家にお邪魔してみたいし、お話もしたい。だけどまだ怖いのも事実で。 響也さんと話すようになってから今の今までも恐怖は抜けきっていない。たまに愛おしい目で見られていると感じると、心臓が止まりそうになる。 きっと私の勘違いだし、自意識過剰にも程があるけど、怖いものは怖い。男の人の、私を見る目が怖い。 響也さんたちと話すようになって、今日は天磨さんたちとも一緒にご飯を食べれた。 明るくて楽しい天磨さんがいれば、心配せずに友達になれるかもしれない。純粋な友達が出来るかもしれない。 私はただ、友達が欲しいの。 .
/275ページ

最初のコメントを投稿しよう!

468人が本棚に入れています
本棚に追加