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すんごい恥ずかしいんだけど、愛おしさがどんどん膨らんでいくからもう内側だけでは留められなくて。行動に移すことで、また新しい愛おしさの入る隙間が出来た。 でも瞼にキスをするだけで満足出来ないオレは、おでこにも鼻にも頬にも唇を落としていく。もちろん、最後に行き着いたのは。 「嫌だったら……押し返してね」 一応、ハクちゃんの気持ちを優先させる予防線を張ってから。赤くて美味しそうな唇に、唇を重ねた。 押し返されたらどうしよう、って内心はバクバクなんだけど一度触れてしまえばその柔らかさに溺れてしまった。 ハクちゃんも嫌がるような素振りもなく、むしろオレの背中の服を控えめに握っている。もう、マジで可愛いすぎ。 「…ん、っ」 「ハクちゃん……」 角度を変えて、何度も何度もハクちゃんの唇の柔らかさを楽しむように触れる。ちょっと舌で舐めてみたり吸ってみたり、甘くて蕩けるようなキスをしたら。 ハクちゃんの唇をこじ開けて舌を中にねじ込み、温かい口内をかき混ぜるようにして舌を動かしていく。 ハクちゃんの唇に触れるとビクビクッと震えていて、可愛い。うっすらと目を開ければハクちゃんの赤く染まった頬と目尻にある涙がやけに色っぽくて。 「ふぁっ…ぁ、んん」 頬に両手で触れていた片方の手を、ハクちゃんの着ているTシャツの中に差し込んだ。 初めて触れるハクちゃんの背中はしっとりとスベスベでいつまでも触っていたくなる。背骨に沿ってつつつ、と指先でなぞるとハクちゃんは大きく身体をビクつかせた。 「あ…っ…ひゃん…」 ヤバイ……このままだと、本当にまずい。止まらなくなる。 そう、頭では分かっているのに身体は正直に動いてしまう。我慢なんて意識して出来るものじゃないなと初めて思った。 .
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