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俺たち4人が玖珂白桜の周りにいるときは、誰も近付いて来ない。女子は遠巻きに羨ましそうな視線を静かに注いで来るだけ。 男子生徒は気にくわなそうな表情で睨むようにしているが、それも全て俺と響也で何倍にもして跳ね返している。 玖珂白桜に近付こうとする男子生徒は俺と響也が視線だけで牽制している。特に響也は普段のヘラヘラした笑顔とのギャップが激しく、相手に与える恐怖も半端なものではない。 「ひびやはずりーよなっ。家でも姫と一緒なんだから、休みの日くらいいいだろっ!?」 「でも遊ぶって何するの~?街に出るのは嫌だからねぇ。ハクちゃんが街なんかに出たら大変なことになるに決まってるもん」 「そ、そうですよねっ。は…白桜さん、めめっ目立ちます、し…」 「そう言われればそうだなー!!じゃ、やっぱ誰かん家だなっ」 短い休み時間の間だけでは予定は決まらず、放課後に考えようということになったらしい。昼休みは我先にと女子生徒が玖珂白桜を連れ去ることを踏まえて、だ。 そして昼休みを終えた5、6時限目はロングホームルームで、体育祭で出る種目の最終決定と体育祭実行委員を決めた。実行委員とかはお決まりで学級委員の生徒が輩出され、俺たち一般生徒には関係ない。 俺は前回のHRで決まっていた種目に加えて、生徒会が決めた団体競技であるタイヤ引き、クラスの男子全員でやる22人23脚という、暑苦しい競技にも出る羽目になった。 個人種目は1人1つ、クラスの人数によっては2つ出る奴もいる。響也は100m走に加えて障害物競走と22人23脚に決まった。 女子と男子で分かれて決めているため、その様子は分からない。運動は苦手だという玖珂白桜はたぶん、あまり体力の使わない競技を選んでいるに違いない。 そして授業終了のチャイムが鳴る前に男女とも全て決まり、そのまま帰りのHRが始まった。 .
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