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後の説明はオレに任せて~、と響也が言い、天磨と和遥は明日のことでまた連絡する、と約束して別れた。
あのうるさい天磨がいなくなるだけでだいぶ空気が違う。和遥がいれば雰囲気は和らぐものの、俺と響也だけだと少しピリッとした空気が流れる。
「でぇ、仮装リレーの話に戻るね~」
「は、ぃ…」
「そのお題がさぁ、たまにぶっ飛んだやつが入っているんだよねぇ。どんなやつだと思う~??」
「えっ……分かりません」
「だよね~。まぁ過去の例から行くと、赤ちゃんみたいにハイハイしながらとか~、自分より身長の低い人にお姫様抱っこされながらとか~」
女子からしたら、大多数の前でハイハイしたり自分より身長の低い人にお姫様抱っこされるなんて恥ずかしい以外の何ものでもない。
「コマネチやりながらとか、変顔しながらとかもあったな~。違う意味の恥ずかしいだと、その仮装にあったポーズをとるとかもあるよ~」
「…コマ、ネチ……?」
「ハクちゃん知らないかぁ。知らない方がいいから教えないけどねぇ」
玖珂白桜がコマネチをするところを想像してみた……が、想像したことを後悔した。普通の人がやるなら笑いになるが、玖珂白桜がやると絶対に卑猥だ。
というか、玖珂白桜がハイハイしようが何しようが危ない空気になりそうだ。しかもどんな仮装に当たるか分かったもんじゃない。
「仮装もいろんなのがあってねぇ。メイドとかナースとか王道はもちろん、ハロウィンにちなんでドラキュラとか魔女とか囚人ってのもあるんだよ~」
「は、はぁ…」
「他にもディズニーキャラクターの仮装とかもあるみたいだよ~。仮装自体はそんなに変わったものはないと思うんだけど、ねぇ……」
言葉とは裏腹に、複雑そうな表情を浮かべながら玖珂白桜を見下ろす響也。当の本人である玖珂白桜は全く話についていけていないらしく、きょとんと首を傾げるだけだった。
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