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宇賀神志龍side
天磨から連絡を貰ったときは驚いたが、お姫様が俺の家に行きたいと言ってくれたことは純粋に嬉しかった。
いつもより早めに目覚めてまず最初にするのは、飼っている動物たちの様子を見に行くこと。夜の間に何か無かったか、変わったことはないかを見る。
まだほとんどの動物が指定された籠やケージの中で寝ているが、水槽の中にいる金魚たちは忙しなく泳いでいる。
餌が欲しいのか、口をパクパクとさせているからお望み通りくれてやる。美味しそうに食べてるのを眺めた後、シャワーを浴びるために浴室へと向かった。
シャワーから出てリビングに戻ると、妹が起きていた。中学生の妹はテニス部に所属していて、休みの日もほとんど1日練習が入っている。
「おはよーお兄ちゃん」
「おう。飯、あるかー??」
「昨日の夜に作った野菜炒めとスープがあるよ」
「そうか。ちゃんと食って部活頑張れよー」
「うん。でもお兄ちゃん、休みなのに何で早いの?」
「あー、今日友達がたくさん来るんだわ。部屋の掃除とかしようと思ってさ」
「そうなんだ。珍しいね」
在り来たりの会話を妹としながら朝食を摂り、部活へ行く妹を見送った。まだ母親は自分の部屋で寝ているけど、たぶん何をしても起きてこない。
父親は離婚してから年に数回会うくらいで、母親は獣医をしている。だから生活は不規則だし、昨日も夜遅くに帰って来たらしい。
料理と皿洗いは妹、掃除と洗濯は俺の担当だ。でも掃除は毎日やるほど汚れないから2日に1回か3日に1回やっている。
昨日も掃除したばかりだが、今日は机に置かれている物とかを片付けるためにももう一度掃除をしようと昨日の時点で決めていた。
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