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扉を開けると、お姫様を挟むようにして南条と五十嵐が立っていた。南条は愛想もくそもない顔で、五十嵐は胡散臭い笑みを張り付けている。
久し振りに見るお姫様はいつも下ろしているプラチナブロンドの髪を左右の耳の下で結っている。いわゆる、ツインテールだ。
太ももまでの白いワンピースに、ピンクのカーディガンを着ているお姫様は、白い桜で“白桜”って名前が本当にピッタリだなと思う。
「お久し振りです、志龍さん。今日はよろしくお願いしますっ」
「そんな固くなんなよー。前のウサギちゃんも待ってるぞ。ほら、早く入った入った」
「お邪魔します~」
「お、お邪魔します」
「…」
南条だけは無言で入ってくるのかと思いきや、一応小さく頭をペコリと下げてから入ってきた。噴きそうになったのは俺だけの秘密だ。
「よぉー!!迷わなかったか!?」
「天磨じゃねーんだから道聞けば分かるわ。つーかお前、いつも以上にテンション高すぎ」
「だって姫と休みの日に会えるなんて嬉しいに決まってんだろっ」
「はいは~い。テンテン、少し落ち着こうねぇ」
「あっ…ど、どどどうぞ…っ。すす、座って下さいっ」
「ありがとうございます、和遥さん」
さすがに6人も集まると賑やかだなーと思いながら後から来た3人のコップを出してやる。しばらくは天と南条が言い争う光景が続いた。
和はちゃっかりお姫様の隣に座って和やかな雰囲気で話している。つっても、相変わらず和の吃りは健在だけど。
お姫様はふわりと優しく笑みを浮かべている。この子には、こんな笑顔が似合うなと思ったのと同時に。愛おしさが溢れて、俺も無意識に頬が緩んだ。
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