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思わず口許を手で覆って、止めてしまいそうになる息を浅く吐き出す。視線は教室の中に残したまま。
「さっきまであんなにヤってたのに…まだ足りなさそうだね、白桜……」
「んんっ…ちが、」
「違わない。昨日は聖瑛に散々に苛められたんでしょ…??」
「やっ…何で…いつもは…っ」
「あいつ、鬼畜だからまた酷いことされたんでしょ…??ねぇ、白桜……」
「あぁっ」
意味が分からない。皇は何を言っているんだ。セイエイって誰だ。
頭が混乱する。
初めて聞いた玖珂白桜の声は想像してたものとは比べ物にならないくらい、甘く澄み通った高い声で。艶のある、一度聞いたら頭から離れないものだった。
皇が彼女の首筋に吸い付く。艶かしい音が室内に響き、俺の欲も膨らんでいくのと同時に。今までにないイライラとムカムカに襲われた。
「この噛み跡、聖瑛のでしょ…?んふふ、ダメじゃない。こんなに付けられちゃ……」
「っ…ふぁ……あ…」
「しぃー…例え誰もいないとしても、静かに。はぁっ…教室ってこぉんなに興奮するものなんだね…」
「な、んで…いつもはっ…しない、のに…」
「あぁ…可愛いよ白桜……もっとその顔見せて…」
「んっ」
玖珂白桜のスカートの中に皇の手が忍び込む。くちゅくちゅ、と水音が聞こえてきて、俺は唇を強く噛み締めた。
「イきたい…?白桜…」
「んあぁ…っ」
「最後まで、ヤろうか…ね??」
「っ!?だ、ダメっ!!」
「ダメじゃないよ、白桜…。足、上げて」
「はぁ…っ…あぁぁ!!!」
「しぃー…静かに。はあぁ…最高だよ、白桜…」
嘘、だろ……本当に挿れてる、のか…?こんなところで?教室で?俺が見ているのに??
ガタガタと机の揺れる音が、腰を振っている皇と声を必死に圧し殺す玖珂白桜のシルエットをやけに濃くする。
「はぁ…イく…っイくよ、白桜…!!」
「……っ…あぁ…あぁぁっ…!!!!」
果てた2人の荒い息遣いだけが室内に取り残され、俺は堪らずトイレに駆け込んだ。
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