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でも彼女は私のことを知っているらしい。学校内で会ったことがあるんだろうか。私が忘れているだけなのかもしれないけど、こんなに個性的な子なら強く印象に残っているはず。
「…あ、の」
「まぁ、ここで話すのもなんだし中に入んなよ。つってもうちの家じゃないけどねーっ!!ぶははっ」
「……」
豪快な笑い方をする子だな。キラッと見えた銀歯がさらに印象的だった。
どうしてこの子が響也さんの家から出てきたんだろうと疑問を抱えながら、促されるままに玄関の中へ入った。響也さんのお母さんはまだ帰ってきてないらしい。
「お…お邪魔、します…」
「どうぞどうぞー。ま、この家の奴は寝こけてるんだよねー。ガチありえんてぃだわー」
「……」
「つか、んなとこ突っ立ってないで座りなって!!でもマジで何でここにいるわけ??あ、もしかしてもしかしなくてもっ、ひびやんに会いに来たわけ!?」
「ひ、ひびやん…」
たぶん、響也さんのことを言ってるんだろうけど……響也さんのことを親しげなあだ名で呼んでいる人を初めて見た。この子は響也さんとどういう関係なんだろう。
「あーっ、そういや、はくらんと最近よく一緒にいるって聞くしなぁ。まさか家にまで来る仲とは知らなかった!!なになにっ、そーゆー仲とかぁ!?」
「は、くらん…」
「ぶははっ!!!キョドりすぎっしょ~。マジちょーウケぴーなんすけどー!!」
「……」
ど、どうしよう。たまにこの子が言っている言葉が理解できない。一体、どこの国の言葉を使っているんだろう。…いや、これも若者言葉というものなのかな。
私も一応若者のはずなんだけど……やっぱり、日本語は難しい。日本の若者の言葉はさらに難しい。
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