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さっきの光景を脳裏に浮かべながら、俺も自分自身の欲を放出して。冷静になった頭がやけに重く感じる。
どうして玖珂白桜と皇彩人があんなこと…教師と生徒の禁断の恋ってか??あの2人は付き合っているのか??
じゃあ皇が言っていた言葉の意味はどうなるんだ。『セイエイ』って誰なんだよ。『噛み跡』ってどういうことだよ。玖珂白桜はビッチだったのか。
いや、あれだけの容姿を持っているんだからいくらでも女の武器になるだろう。彼女がビッチだったからと言って、俺には何の関係もない。
なのに何故。どうして失望したなんて思っているんだ俺は。嫌いな奴をさらに嫌いになるだけだろ。
それにしてもやっぱり皇彩人……猫被りだったか。普段の姿とは別人のように変態臭を漂わせていたな。
はぁはぁ言って、あんなところを女子生徒が見たらショック死どころじゃないぞ。よく教室でヤれたな。
あぁ……ムカつく。イラつく。
玖珂白桜の声を初めて聞いた。とても甘い、脳を痺れさせる、綺麗な声だった。
でもその声は、俺に向けられたものじゃない。あの変態教師だけに向けられていた。きっと皇は耳元であの声を聞いている。あいつの耳を引きちぎってやりたい。
いつも動かない表情は、どんな顔をしていたんだろうか。顔は一瞬も見えなかった。どうして彼女の上に乗っていたのが変態教師なんだ。どうして俺じゃないんだ。
どんな顔をしてあんな声を出していたのか。イくときの顔は。声を必死に圧し殺す顔は。快楽に溺れる顔は。
見たい。見てみたい。
…嘘だあり得ない。あぁ、きっと欲求不満なんだ。サッカーばかりで最近は抜く気にもなれなかったし。
エロ本もAVも長いこと見ていない。そうだ、きっとそのせいだ。初めて生で見てしまったせいで興奮しているだけだ。相手が玖珂白桜でなくてもこうなっていた。
だから。俺の意思とは関係ない。
そう結論付けた時、トイレに数人の生徒が入ってきた。開かれたドアの奥からたくさんの声が聞こえてきて、全校集会が終わったことを知らせた。
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