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ディオンと出会ったのは中学1年生の時。2つ歳上の先輩として同じ学校に通っていて、移動教室の時に階段で転びそうになったのを助けてくれたのが最初だった。
『おっと危ない、大丈夫か??』
『あっ…ありがとうございます』
『ッ…!!!え、あ、いや…』
誰が助けてくれたんだろうと顔を見ようとして、随分と首を上に向けたことへの驚きは今でもよく覚えている。
当時、ディオンは中学3年にして既に190㎝近い身長があった。あまりの大きさから高校生がこんな時間にどうしてここに、という疑問と。大きな身体なのに何故か顔は真っ赤で可愛いなんて思ったことも忘れていない。
『本当に、ありがとうございました…』
『お、おう…あ、と…1年、か?』
『はい、そうですけど…』
『そう、か。俺は3年のディオンっつーんだ。よろしくな』
『え…高校3年生がどうしてここに??』
『はっ!?いやいや!!!俺、まだ中学だし。中学3年ってことだから!!』
必死に首を振って大きく身ぶり手振りをしながら懸命に誤解を解こうとする姿がおかしくて、私は無意識に笑ってしまっていた。
ちょっと驚いた表情をしたディオンも、すぐに頬をかきながら釣られて笑みを溢したことにより話やすくなった。
それから廊下ですれ違う度に声を掛け合い、いつの間にか親しい友人の1人としてディオンの公式戦には応援に行ったり遊びにも出掛けたりするようになった。
気さくで不器用で、好きなことには真っ直ぐで努力家、大きな身体と正反対の照れ屋さん、何よりとっても優しく気付けばいつでも側に居てくれた存在。
そんなディオンと出会う前からずっと一緒にいたのが、あの日の爆発を起こした張本人であり、私の幼馴染みで天才的な頭脳を持っていた、ロイス・マクレーン。
2年前の今日、ディオンの手によって息を止めた、還らぬ人。
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