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《PM12:41》
『い、今の音……何…』
『尋常じゃない音だったな。セラフィーナ、大丈夫だからそんな怯えんなよ。どっかで実験に失敗でもしたんじゃねーの?』
『…かもしれないね。まぁ、ここは敷地内の一番端っこだから影響はないと思うよ』
『でも何か……嫌な予感がするの。私、ちょっと食堂の方に戻ってみる』
『ハクラ、それはダメだ』
『どうして?』
『だってそんなことしたら、僕が君をここへ呼んだ意味がなくなるだろう?おいで、ハクラ。もっと僕の近くに』
『なっ!!おいロイス、セラフィーナに触ろうとすんじゃねーよ!!!』
『なぜ?なぜ僕がハクラに触れちゃダメなの?お前には関係ないだろ。まさか、ハクラは自分のものだと勘違いしてるのか?』
『ち、ちげーよ!!ただ…お、お前はいつもセラフィーナへのスキンシップが度を越えてんだよ。んなもん、目の前で見せつけられて黙ってられるか』
『へぇ…随分と傲慢だね。自分がハクラの頭を撫でるだけで精一杯だから嫉妬してるだけだろ?女々しいヤツだ』
『んだとてめぇ……ッ』
『ディオン…!!ロイスもそんなこと言うのやめて。それより、やっぱりさっきの音が気になるから私見てくる』
『なら俺も行くぜ。セラフィーナ1人じゃ心配だ』
『待ってハクラ』
――――ドォォンッッ!!!
『えっ…またさっきみたいな音が少ししたわ。やっぱり何かあったんだよ。ロイス、行ってくるね』
『…どうしても行くの?』
『う、うん。ロイスどうし…』
『分かったよ、なら僕も一緒に行く。僕と一緒にいれば安全だからね』
『え……??それどういう、』
――――バゴォォン!!!
『おいおい、また何か音が聞こえたな』
『急ごう。何かあったのかもしれないし』
『そうだね。…能なしまで着いてくるのは不本意だけど、まぁ百歩譲って許してあげるよ。今だけだし、ね』
『あァ??んだとクソが…!!』
『ディーオーン!!さっ、早く行こう!!ねっ?』
『お、おう』
『……』
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