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透き通るような淡い水色の12月の空。ベージュの厚いカーディガンの裾をしっかりと伸ばし、指先を隠しながら終業式が行われる体育館へと向かう。 周りでは冬休みの計画を立てて楽しそうに話す女の子友達たち。みんな、とっても優しくて可愛くて見てる私も釣られて笑顔になってしまう。 他の生徒さんたちはほとんどが体育館に集まっているらしく、私たちは少し足早になる。その理由が、私がクリスマスは誰と過ごすかで女の子たちに議論されていたら時間が過ぎていたというわけだ。 体育館へと続く渡り廊下を進む途中、もう1つ向かい側にある渡り廊下で見知った顔を見つけて足を止めた。 「…和遥さん?」 それは間違いなく和遥さんで、どうしてまだこんなところにいるんだろう。天磨さんたちはとっくに体育館に向かっていたはずで、いつも一緒にいる和遥さんもてっきり体育館にいるのかと思っていた。 話に夢中になっていた女の子たちは私が足を止めたことに気付かずに前に進んでしまう。それでも私は、何故か胸騒ぎがして後を追うことができなかった。 向かい側の渡り廊下にいた和遥さんはこちらに背中を向けていて、私の姿は見えていない。声をかけようかとお腹に力を入れたとき、和遥さんは突然走り出した。 運動神経があまりよくないという和遥さんが走り出したことに少し驚いてしまう。それでもすぐに違和感に気付いた。おかしい、何がって、和遥さんの様子が。 私はいてもたってもいられず、和遥さんの後を追うように走り出した。シューズのまま、芝生の上を走っていることにも途中で気付いたけれど構わずに追う。 渡り廊下がある中庭を抜け、和遥さんが向かったのは体育倉庫がある場所。体育倉庫の裏には職員用駐車場があり、昼間なのに薄暗い。こんなところに何の用事なんだろう、と思いながら和遥さんが足を止めたので声をかけようとした。その時。 「よぉ、城戸ォ。持ってきたんだろーなぁ?」 「は、ははぃ……っ」 柄の悪い、私服姿の若い男の人たちが4人出てきて、和遥さんを取り囲んだ。私は咄嗟に車の後ろに隠れる。嫌な空気が、流れ始めた。 .
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