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教室に戻ると、自然と一番に目が行くのは窓際の奥の席でプラチナブロンドの長い髪を垂れさせて眠るハクちゃんの姿。 その次にオレを怖い顔で睨むようにして見るトッキーにヘラリと笑いながら近付いた。 「たっだいま~」 「…おう。どうだった」 「どうって別に普通だよ~??世間話したくらいかなぁ」 「嘘つけ。世間話だけで呼び出しなんて聞いたことない」 「まぁ、本当にトッキーが知りたいようなことは何もないから安心しなって~。でさ、オレ今日の放課後用事あるからテンテンたちと先に帰ってて~」 「……そうかよ」 すんなり諦めたトッキーは既に弁当も食べ終わったのか、携帯でサッカーゲームをし始めた。 本当に好きだな~。サッカーに夢中になるトッキーにはいくら話しかけても無駄なことだって知っているから、オレも自分の席に戻る。 まだ昼休みは15分くらいあるけど、教室の中は読書する人や勉強する人など、1人で過ごしている人が多い。そんな中、オレもWALKMANを取り出して洋楽を聞き始めた。 イヤホンから流れてくる流暢な英語とリズムを聞き流しながら、視線はハクちゃん一直線。 もし今日が雨でなければ、窓から差し込む陽の光であのプラチナブロンドはもっと輝いていたんだろうな。触ったら柔らかそうだし、指をすり抜けそう。 ちょっとくらい、こっちを見てくれないかな~。ハクちゃんと目を合わすことすら至難の業だから、たったそれだけのことに強い願望を抱く。 あ、でも今日の放課後に会えるんだとしたらその願いも叶うのか。そう考えたら放課後がめちゃくちゃ楽しみになってきた。 いやもちろん、緊張も大きい。だってあのハクちゃんと真っ正面から向き合うことすら初めてなのに、もしかしたら話せるかもしれない。 そんな期待を胸に、放課後までの時間をただひたすらハクちゃんのことだけを考えながら過ごした。 .
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