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細いのに、制服の上からでも分かるほどハクちゃんの身体はしっとりと馴染むように柔らかい。直に触れたらどんなに気持ちいいんだろうと想像して、すぐに掻き消した。
抵抗せずに大人しくオレの胸に頭を預けるハクちゃんが可愛すぎて、思わず抱き締める腕に力が籠る。
ヒョイッとハクちゃんの身体を抱き上げ、机の上に座らせると同じ目線になった。
ハクちゃんはどうしたらいいのか分からないと表情に出ているけど、ほんのりと赤い頬が羞恥を表している。
鼻と鼻がくっつきそうな距離でハクちゃんのオレとは違う本物のグレーの瞳を見つめると、恥ずかしいのかキョロキョロと視線を泳がしてオレから逃げようとしていた。
「……可愛い」
思わず本音が口から出る。
オレの心臓はドキンドキンと早鐘のように踊っていて、初めて間近で見るハクちゃんのキレイすぎる顔に見惚れていた。
いやらしいほど真っ白な肌は洗い立てのように清潔感で溢れている。思わず両手で包み込むようにして触れると、しっとりと露を含んだように滑らかだった。
触れられていることに緊張しているのか、肩に力が入っているハクちゃんはまだオレと目を合わせようとしない。オレは無理やりグレーの瞳を追いかけ、覗き込む。
「逃げないで。オレを、見て…」
「あ、あの……っ」
「ハクちゃん…何でそんなに可愛いの…」
「えっ…その…」
困った顔がこんなに可愛いなんて、余計に困らせたくなる。スメラギはハクちゃんのこんな顔を知っているんだろうか。
オレの知らないハクちゃんの顔をどこまで知っているんだろうか。
「…………スメラギは、ハクちゃんの何??」
「……」
「…答えて」
「い、ろと…さん、は…」
「イロトさん??」
へぇ、名前で呼び合う仲なんだ。普通の教師と生徒の関係なら絶対にあり得ないよね。
あぁ……腸が煮えくり返りそうだ。
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