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聞きたいことがたくさんありすぎて思考が追い付かない。とりあえず、パニックと嫉妬心でどうにかならないように深くため息を吐いて。
机の上に乗るハクちゃんとの距離を少しだけ取り、死にかけそうになっている理性を連れ戻した。
「ふぅー……ハクちゃん、とりあえずその事は置いといて聞きたいことがあるんだ~」
いつものオレを取り戻す。ヘラっと笑いながらハクちゃんが安心するように声のトーンもさっきより上げた。
「ハクちゃんが学校で誰とも話さないのは、その親戚って言う人たちのせい~??」
「……違います」
質問したと同時に、ハクちゃんの表情が曇る。嘘ではないようだけど、なら一体どうしてなのか自然と疑問に思うわけで。
「じゃあ…何で~?」
「…………」
「……」
「…………」
ダメ、か。
どうやらこの話題はハクちゃんにとって触れてほしくないことらしい。知りたい気持ちは山々だけど、問いつめ過ぎて嫌われるのは困る。
それに、今日初めて話したばかりのただのクラスメイトに簡単に話すような内容だとも思っていないから、オレはすんなりと諦める。
「うん、言いたくないことだったよね?ごめんね、だからそんな顔…しないで??」
憂鬱な、無表情な、醜い顔をしているハクちゃん。世界の悲しみを全て1人で背負っているような雰囲気が、ハクちゃんの心の中に大きな闇があることを簡単に想像させた。
ハクちゃんの過去に何があったのか。
今までどんな生活をしてきたのか。
本当の家族はどうしているのか。
スメラギや顔も知らない相手と本当に親戚なのか。
聞きたいことはたくさんある。知りたいこともたくさんある。
でもそれはまだ、先だ。
焦っても仕方がない。やっとあのハクちゃんと向かい合って話すことが出来るところまで立てたんだ。
だからこれから少しずつ、ハクちゃんの心を開いていけるようになればいい。
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