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オレより低い身長にスポーツ向きではない体型の童顔の彼だけど、ハクちゃんが華奢すぎるせいか、すっぽりと収まっている。
規則正しい寝息をたてながら眠るハクちゃんに、童顔の彼はオレを見る瞳とは真逆の瞳をハクちゃんに向けながら。当たり前のように、ハクちゃんの額にキスをした。
「…あんた、白桜ちゃんと何してたの??」
「ん~世間話?」
「はぁ??白桜ちゃんがあんたと話したの?嘘、あり得ない」
「まぁ~オレも今日初めてハクちゃんと話したんだよねぇ。で、君は誰??」
オレの顔を信じられないとでも言うように凝視して、眉間にシワを寄せる。先輩に対して敬語も使えないのかと、トッキーなら言いそうだけどオレは別に気にしない。
ただ、童顔の彼の全身から滲み出る殺気に近いオーラがとても気になるけど。彼はハクちゃんとどんな関係なんだろう。
「あんたこそ誰だよ」
「オレはハクちゃんと同じクラスの五十嵐響也って言うんだ~。君はどうしてここに来たの?ハクちゃんがここにいることを知ってたの??」
「……あんたには関係ない。白桜ちゃんには近づかないで。この子は僕のものなの」
「どういう、こと~?」
「そのままの意味だけど??…ったく、なんでこんな奴なんかと…アイツ、何考えてんだ」
ぼそっと小さく呟いた言葉をオレは聞き逃さなかった。
「アイツ、ってもしかしてスメラギ先生のこと~??」
「…ここにあんたと白桜ちゃんを呼んだのはアイツでしょ。本当、信じられない」
「スメラギ先生とはどんな関係なの~??」
「あんたには関係ない」
何も言おうとしない童顔の彼だけど、この様子だとある1つの予測が立つ。スメラギともハクちゃんとも深く関係があるのだとしたら。
「君さ~もしかして、ハクちゃんとスメラギ先生と一緒に暮らしてたりする~??」
「……っ…は?」
この反応は、ビンゴだ。
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