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スメラギの他に後3人同居人がいるって言ってたハクちゃん。この童顔くんはその中の1人なのか。 まさか同じ学校の後輩だったとは思いもしなかったけど……ハクちゃんは、こいつにも抱かれてるの?? 「やっぱりそうなんだねぇ。ハクちゃんから聞いたよ~」 「……嘘でしょ。白桜ちゃんは僕たち以外の人間が怖いの。人間恐怖症なの」 「人間恐怖症…?」 この童顔くんをつついたら勝手にいろいろ話してくれるかもしれない。ハクちゃんのこを知れるかもしれない。 「そうだよ。白桜ちゃんにとって僕たちが白桜ちゃんの世界の全て。だからあんたみたいな、下心のある奴がヅカヅカ入り込むんじゃねぇよ」 「下心があるのは君も同じでしょ~?ハクちゃんの純粋な心を利用して身体を強要してるんじゃないの~?」 「……あんた、何を知ってんだよ」 「ハクちゃんが言ってたよ~。居候の自分を置いてくれてとても感謝してるって。その恩返しに何かさせてほしいって言ったらセックスでしょ~??あり得ないよねぇ」 自分でも童顔くんを挑発しながら嫉妬に狂いそうになる。オレの言葉に目を見開き、またすぐに睨み付ける童顔くん。 オレは心の真っ黒な感情とは真逆の表情を顔に張り付けながら、尚も言葉を続けた。 「ハクちゃんを性欲処理としか思ってないのはそっちなんじゃないの~?毎朝青白い顔でフラフラしながら教室に入ってくるハクちゃんの意味が分かったよ~」 きっと、毎晩毎晩こいつらに好きなように抱かれて寝る暇もないんだ。だからハクちゃんは学校での時間をほとんど寝ることに費やしている。 もし童顔くんのさっき言っていた『人間恐怖症』が 事実なら、寝ていれば誰とも関わらずにすむ。 「ハクちゃんの身体を労りも出来ない奴らに、偉そうなこと言われたくないよね~」 ハクちゃんの無表情の原因がコイツらのせいなら、ハクちゃんの『人間恐怖症』が治らないのがコイツらのせいなら。 オレが、ハクちゃんを救ってやる。 .
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