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「ハクちゃん大丈夫かな、とか。絶対無理してる、とか。なーんか、すんげぇ心配してるかと思ったら何となく機嫌が悪いような時もあんだよなー。よく分かんねぇけど!!」
「へ、へぇー……ひひっ響也くんにしてはめ、め珍しい…ねっ」
いつだって響也くんはニコニコとしていて、穏やかと言うか優しくて平和主義よりの人だと思う。
機嫌が悪くなることなんて滅多に見ないし、叶貴くんに突っかかられてもムキになることもない。
「まー、相変わらずときは仏頂面だけどなっ。でも最近酷くなってる気もすんなー」
期末考査2週間前からは、休み時間も図書室で勉強して放課後はすぐに塾に行っていた自分は、最近2人とまともに話していなかった。
逆に天磨くんは期末考査があっても無くても同じようなもので、自分の勉強の邪魔をしないようにと叶貴くんたちの所へよく行っていたみたいだ。
……叶貴くんが迷惑そうにあしらっていたんだろうけど、天磨くんには通用しない。
「それに、前は興味ないって言ってたくせに、最近よく姫のこと見てるし。つーか、姫に興味ない方がおかしいんだって!!」
と、いつもの天磨くんスイッチが入ってしまったみたいだ。昼休みが終わるまで玖珂白桜さんがどれだけ可愛いかを熱弁していた。
それを半分聞き流して適当に相槌を打ちながら、今日は塾もないし天磨くんと一緒に叶貴くんたちの所へ行こうと決めて。
あわよくば、玖珂白桜さんの起きている姿も見れたらいいな、と密かに心が弾んだ。
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