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朝霧天磨side
まーた今日も雨かよ!!早く梅雨明けしてくんねぇかなー。やっぱ晴れてる方がテンションも高くなるしっ。
って、ときに言うといつも「お前は晴れでも曇りでも雨でも台風でも同じテンションだっつーの。ウザい」って言われる。
まぁ、否定はしないけどなっ。
俺とは無関係に近い期末考査が終わった後の連休の今日はかずがうちに遊びに来る。
つっても家はすぐ隣だし遊ぶっつってもDVD見たりゲームやったりぐうたら過ごすだけなんだけど。
かずは両親が医者ってこともあってすごく厳しい。だから家には漫画もゲームも遊ぶものなんて何一つない。
たまに考査が終わった後なんかに息抜きでやりに来るんだ。
リビングでテレビを見ながらかずが来るのを待っていると、インターホンが鳴った。
「開いてるぞー」って叫ぶと玄関の開く音と共に、「…お、おおお邪魔しますっ」とかずのいつもの弱気な声が聞こえてきた。
「かず飯食ったー??」
「まっ、まだだよっ。天磨くんはたたた食べたのっ?」
「俺もまだ!!かずと一緒に食べようと思ってカレー作ったんだっ。食べようぜ」
「あ、ああありがとうっ」
俺はこう見えて料理が得意だ。野球と料理しか出来るものはない。そしていつもかずは俺が作ったものを美味しそうに食べてくれる。
「ん~やややっぱりおいしい、ねっ」
「だろ!!天磨様特製カレーには隠し味が入ってるからなっ」
「い、いつも言ってるけど…かか隠し味って何なの??そっそろそろ教えてく、くれても……」
「それじゃあ隠し味にならねぇだろっ!!ほら早く食わねぇと冷めちまうぜっ」
昼間なのに外が雨のせいで電気をつけたリビングで、俺は次は何を作ろうかと考え始めていた。
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