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知ってるのかと聞くと、お姫様が転校してきたばかりの頃に今日お姫様がいた公園で見た話をしてくれた。 「あああの後、逃げっ逃げちゃってたんですね…っ…み、見つかってよかった…」 「はい……たぶん飼い主さんがいたはずなんですけど…捨てられたんだと、思います」 「でも半年以上も前に捨てられて今までどうしてたんだろうなー。新しい飼い主が現れたか、動物の保護施設にでも入れられて脱走したか、野ウサギになったか」 「野ウサギ!?そんなのいるのか!!!」 「たったぶん元々野うさぎだった、とおお思い、ますっ…それをひ、拾われてまた逃げ出したはず、っです」 頭が良くていろんなことを知っている和によると、野うさぎと飼いうさぎでは体格が全然違うらしい。 野うさぎたちは広い野山で生活してるから、野山を駆け回るための脚力をはじめとした筋肉が発達している。だから体格も大きく余分な贅肉がない。 それに比べて人間と共に暮らしている飼いうさぎは、体も丸く可愛らしい印象の体つきをしているとか。 確かに寝ているウサギは、毛並みは白いけど耳は長く大きく、体も大きく見える。 「あああの公園の近くは、山がたったくさんあります。しょ…食物にも困らないと、おっ思いますっ」 「そうなんですか……和遥さんは本当に物知りなんですね。知れてよかったです」 お姫様が和に向かって本当に嬉しそうに微笑む。勉強ばかりの和は女子との免疫がないし、こんな美少女なら尚更だ。案の定、顔を真っ赤にして吃りまくっていた。 「お姫様は動物が好きなのかー??」 「はいっ!!大好きですっ」 「…っ」 いや、今のはマジで反則だと思う。 .
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