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南条叶貴side
…………どういう、ことだ。
「姫っ!!おはよっ!!!」
「おおおっおはよう、ごっございますっ」
「あ…おはよう、ございます…」
夏休みに入る1週間前の月曜日。いつものように教室に入り、いつものように一番最後に入ってきたのは玖珂白桜。
いつものようにHRを済ませて、最近はきちんと起きて授業を受けている玖珂白桜は今日も1、2時限目もしっかり起きていて。
今は、2時限目と3時限目の間の15分休み。2時限目の終了を知らせる鐘が鳴りやまない間に隣のクラスからいつにも増してテンションの高いアホ天磨が現れたと思ったら。
俺の席を通りすぎ、そのまま一番後ろの席に座っていた玖珂白桜の所に直行して。
「姫っ!!俺、約束通り弁当作ってきたんだっ!!!」
普通に玖珂白桜に、話しかけ始めた。
それだけじゃない。最近は話しかけたら笑い返してくれるくらいになったと聞いたが、今の玖珂白桜は挨拶をした天磨と和遥に言葉で返した。
あの玖珂白桜が、話した。声を出した。教室内にいる生徒の視線は全て一点に集まり、俺の横で俺と同じように目を見開いているのは。
「あっ、ひびやーときーおはようっ!!」
相変わらず着崩した制服に暑苦しそうな茶髪、ピアスを両耳につけた響也。
「……テンテン、カズくんおはよ~」
「おうっ!あ、あのさっひびや!!昼休み、聞きたいことってか話したいことあんだけど…」
「なになに~?って言うか、いつの間にハクちゃんと話すようになったの~??」
「それについて話したいんだっ。俺、これから毎日姫のお弁当作るって約束したし!!姫、昼は一緒に食おうな!?」
「…はいっ。本当に、ありがとうございます。この前のカレーもご馳走様でした…っ…」
玖珂白桜の言葉に、響也も俺もピクッと眉を動かして反応を示した。
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