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不服そうな顔をした響也たちと教室を出て向かったのは、空き教室。教室がある棟とは反対側にある棟には、特別な時にしか使わない空き教室がたくさんある。 その中の1つを適当に選び、誰もいないことを確認して俺たちは中に入った。玖珂白桜も周りをきょろきょろ見ながら中に入ってきた。 「ハクちゃん、大丈夫?眠くない??」 「…あ、ちょっと眠いです…けど大丈夫です。ありがとうございます」 響也は本当に心配そうに玖珂白桜の顔を覗き込んで聞いた。苦笑しながら大丈夫だと言いながらも、その目はとろんとしていて眠気が隠せていない。 彼女がこんなに眠そうな理由を響也は知っているってことか。天磨と和遥もいつの間にか普通に玖珂白桜と話すようになっているし。 何なんだ、何で俺がこんな疎外感を感じなくちゃいけないんだ。俺だけ彼女のことを何も知らない。知っているとしても、あの教室で皇との行為を見てしまっただけ。 「話の先に、まずは飯食おうぜっ」 俺の気持ちなんか何も知らない天磨が適当にイスに座り、机の上に弁当を広げる。それに習って和遥は弁当を、響也はコンビニのパンの袋を開けた。 玖珂白桜は天磨の隣、響也の後ろの席に座って天磨が作ってくれた弁当をゆっくりと開ける。中身を見て、小鳥のさえずりのような感嘆の溜息を漏らした。 「すごい……おいしそう…」 「だろ!?天磨様特性手作り弁当だから、栄養満点だしめちゃくちゃおいしいぜっ」 「知ってるか、自分で言うと信憑性が半減するんだぜ」 「シンピョウセイって何だ??」 「さすがテンテン~。料理の勉強より言葉の勉強した方がいいかもねぇ」 「でっででも天磨くん、まま、前よりはいろっ…いろいろお、覚えたんです…よっ」 俺の嫌味も通用しない天磨のアホ加減には呆れる。そんな俺たちを見て、玖珂白桜はくすくすと肩を揺らして笑っていた。 .
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