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響也と和遥は俺と同じことを思っていたようで、眉間に皺を寄せて難しい顔をしていた。誰も、言葉にはしなかったけど。 そしてそれぞれが教室に戻り、放課後に持ち越しとなった。教室に戻ったときには、四方八方からの視線が凄かったことは見て見ぬふり。 無事に1日の授業全てを終えた俺たちは、チャリ置き場で待ち合わせになった。授業の途中に響也からメールが来たからだ。 教室から一緒に行くのは良くない、みたいな内容だったけどその理由についても放課後に話すそうだ。 約束通り、HRが終わったらすぐにチャリ置き場へと向かう。教室を出るとき、響也は玖珂白桜とアイコンタクトだけで言葉を交わすことはなかった。 昇降口に向かって歩く廊下。また何かしらの噂がたっているのか、ちらちらと俺たちを見てくる奴がいる。それを無視しながら話を切り出した。 「……皇、か」 「さすがトッキー、そうだよ~」 ふと思った。教室を出るとき、まだ担任の皇は教壇にいた。天磨たちを教室に来させずにチャリ置き場を指定したのも、皇に見られると良くないから、だと。 「玖珂白桜と皇の関係について、お前は知ってるんだよな」 「うん」 「…いつから、知ってた」 「う~ん、でもつい最近だよ~」 響也は、見た目と違って女の匂いが全くしない。告白されることはあっても全て断ってたし、期待を持たせるようなこともしない。 前に一度、聞いたことがある。何でお前は彼女作らないんだって。作ろうと思えば作れるだろって。 「前に言ってたよな、お前」 「ん~?」 「彼女を作らないのは、まだ運命の相手だと思える人に出逢っていないからだって」 「……あ~そんなことも言ったけぇ」 「その運命の相手だと思えるのか、あのプラチナブロンドの女は」 「…………」 男の友情は、女のように何でも話すわけではないしあっさりしているのが普通だと思ってる。だからこんな風に女事情を響也に聞く時が来るとは、思いもしなかった。 .
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