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何とも言えない微妙な雰囲気の中、チャリ置き場に到着する。先にHRが終わっていた天磨が俺のチャリに跨がっていた。 「どけ」 「ぐえっ!!」 天磨の足の脛を蹴ってやったら変な声を出して悶える天磨。響也は笑いながら自分のチャリの所へ行く。 荷物を篭の中に入れてチャリに鍵を指した。天磨のチャリは既に準備万端で、天磨は足の脛をさすりながら俺たちを待っていた。 「カズくんはもう塾に行ったの~?」 「おうっ。めっちゃシュンとしてたけどな!!」 「そっかぁ。……トッキー、準備出来た~??」 「あぁ。行くぞ」 そうして俺たちは、まず駅へと向かう。そこから電車に乗り換えて天磨の家を目指した。 約15分かけて到着した天磨宅。ひっそりとした住宅街にある2階建てで普通の家だ。 天磨の後に続いて家の中に入り、リビングのソファに座る。飲み物を出して、天磨もソファに座った。 「もう少しでしりゅーが来るからさっ。ちょっと待っててな!!」 天磨と和遥の中学時代の同級生、宇賀神志龍は同じ市内の高校に通っているらしく、とても頼れる存在らしい。変な奴じゃなければいいが……。 しばらくテレビを見て時間を潰していると、インターホンが鳴った。天磨が開けに行き、リビングに戻ってくる。 その後ろからリビングに入ってきた、天磨と同じ坊主頭。背丈も天磨と同じくらいなのに、何故か年上に見える。切れ長の目と纏ってる雰囲気が大人っぽく見せているせいなのか。 宇賀神志龍が軽く会釈をした。それに答えるように、響也はヘラヘラと「どうも~」と挨拶をして、俺は無言で少しだけ頭を下げた。 「とりあえず、しりゅーも座ろうぜっ」 「あー、悪いな」 天磨は俺の目の前、宇賀神志龍は響也の前に座った。 .
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