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昼休み。お弁当は3時限目が終わったあとに早弁した。いつもならトッキー、たまにテンテンとカズくんも一緒にお昼は食べるんだけど。 「トッキー、オレ化学準備室に行ってくるね~」 そう言ってヒラヒラと手を振りながら教室の出口に向かおうとすると、待て、とトッキーに腕を捕まれた。 振り返って首を傾げると、真剣な表情のトッキーがオレを見下ろしている。身長が高くて目付きも悪いトッキーに見下ろされると、中々の迫力だ。 「なに~??」 「皇に呼び出されたのか」 「まぁそうだよ~」 「…アイツ、絶対猫被りだから」 何を言い出すのかと思ったらそんなこと。スメラギが猫被りだってことは、オレも薄々気付いてた。 と言うか、今時猫被りとか二重人格とか普通の世の中だ。別に珍しくも何ともない。 「うん、分かってるよ~」 「……」 「そろそろ行くねぇ」 ヘラッと笑顔を見せてまだ何か言いたそうなトッキーに背中を向けた。教室を出る直前、ちらっと窓際の一番奥の席を見る。 そこにはいつも通り、ハクちゃんがピクリとも動かずに寝ている姿。授業中寝ているのはまだ分かるけど、昼休みまで寝てるからハクちゃんがご飯を食べている姿を見たことがない。 食欲より睡眠欲の方が大事なんだろうけど、あれだけ細いから心配になる。その理由もスメラギなら知っているのだろうか。 そんなことを考えながら辿り着いた化学準備室。ドアをノックすると、どうぞーと中から声が聞こえてきた。 「失礼しま~す」 「やぁ五十嵐君、早かったね」 「どうも~」 「お昼は食べたのかな?」 「早弁しました~。先生は食べましたぁ??」 「あぁ、食べたよ。こっちに座って」 スメラギに言われた通り、スメラギと向き合う形でパイプイスに腰を掛ける。薬品や実験道具がたくさんあるこの部屋は、とても居心地がいいとは思えない。 .
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