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毛先を律儀に切りそろえた艶のあるセミロングの髪と、きめ細やかな白い肌に眼鏡をかけた彼女はクラス委員長であり、静流の親友でもある。
校内で唯一の良き理解者に静流は感謝し、彼女から受け取った自転車のキーを握り締める。
「月子、いつもありがと。今日だって掃除当番…」
「いいのよ。それより早く行って。人通りが多い今、行かないと見つかる確率が高くなるし、何より間に合わなくなるでしょ」
「ご、ごめん!じゃあいつも通り、今度に!また明日ね!」
「ええ」
あいさつもそこそこに彼女たちは別れ、静流は駐輪場へと走る。
自宅から自転車での通学を許される距離ではない彼女は、必要な状況下で月子から自転車を借りることが常となってしまっていた。
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