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けれど予想に反して赤色の自転車は多く、結局二人は駐輪場内において駐車する場所を決めておく羽目になった。
目当ての自転車を発見し、はやる気持ちを抑えて引っ張り出せばペダルへ片足をかける。
もう片足を上げかけたその時、名前を呼ばれて静流は振りかえった。
「静流!」
「?」
着くずした制服のスボンのポケットに左手を突っ込み、右肩に鞄をかけて手を振る人物が目に入り、静流は辺りを見渡した。
自分が話かけられているとは思わなかったのだ。
そんな彼女へ躊躇うことなく、近づく彼は始終笑顔だ。
さらりと流れる茶髪のサイドを一部編み込んでピンで留め、そこから覗く耳にはピアスがつけられている。
挙げた手首や、丸められた裾から見える足首にも無数のアクセサリーをまとい、音楽プレーヤーからのびたイヤフォンが首に下がっていた。
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