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彼の身長は175センチ以上に違いない。
165センチの静流の目線は、完全に上向く。
目の前まで迫った彼はにっこり笑って、振り続けていた手をやっぱり振り続けた。
静流をホシ子と呼ばないのは、校内では月子と弟の春斗だけであるから、彼女はただ驚いて相手を凝視した。
薄い唇に笑みを乗せ、愛らし過ぎない程度の二重の瞳、すっきりした顎をながめたが心当たりがなく静流は首をかしげたが、彼は構わず話している。
「静流!お前、静流だろ?弟いなかったはずなのに、弟がどうとか聞いたから一瞬人違いかなとも思ったけど」
「?あの、ごめんなさい…どちらさま…?」
「え、俺のこと分からないか!そっかー…そりゃそうだよな…」
盛大に肩を落とした彼に若干の罪悪感を感じ、静流は慌てて謝ったが彼は意外と切り替えが早かった。
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