22人が本棚に入れています
本棚に追加
明るく染められた髪の片側は編み込まれピンで止められており、彼の耳で堂々とピアスが光っていた。
一見切れ長に思われた瞳だったが、静流に凝視されている今はまん丸の状態で瞬きを続けている。
それでも言葉を発さない静流を、追及するというわけでもなく、薄い唇を三日月の形に変えると彼は首をかしげた。
「ね、今日、一緒に帰ろ?」
「……っ、だから放課後はっ…」
たじろぐ静流は、別の方向から自分を呼ぶ声がして、ハッとする。
「静流?」
「は…春斗!」
最初のコメントを投稿しよう!