第1章 時のおとずれ

39/52
前へ
/87ページ
次へ
「へぇ、これが噂の弟くん?ハジメマシテでいいんだよな?多分俺たち、会ったことないよな?」 「?この人、何言ってんの?会ったことあるわけないだろ」 春斗のつっけんどんの態度に静流はヒヤヒヤした。 一つ年下の弟は、初対面の相手には恐ろしいほど愛想が足りないが、今回はいつもに増して酷すぎる。 春斗の意識を逸らそうと思ったが、これがまた対照的な対応をする彗が話の主導権を握ったままだ。 「だって歳、静流のイッコ下なんだろ?昔静流と遊んでた時、弟がいるなんて話、してたかなぁ」 その瞬間、春斗があからさまにムッとしたのが静流には分かった。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加