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意味深に見つめ合う男女は、互いしか目に入らないと瞬きすらも惜しんだかに見えたが、実際はそうはさせまいとする彼の取り巻きが次から次へと殺到した。
「リュウ!ミカばっかずるい!あたしも…」
「はぁ!?あんた、どさくさに紛れて何言ってんの!」
女同士の牽制のし合いにも慣れた様子で対応し、彼は相棒を見やる。
該当の彼は、いつもより少し伸びた前髪を、女生徒にヘアピンで留めてもらいながら額を寄せて、まるで内緒話をするかのような声の調子で会話している。
時折クスクスと笑声がもれた。
リュウと呼ばれた彼は、構うことなく相棒の名をを呼ぶ。
「彗(すい)、お前もどっか寄ってくだろ?」
承知していると言わんばかりに彗は、もたれた壁から体を起こして彼へと近寄ったが、同じくして後ろから彗を取り囲んでいた何人もの女生徒も移動した為、廊下は大渋滞となった。
しかし日頃からこの環境に頓着しない二人は、放課後のプランをあらためて練ることに集中している。
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