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無理もない。
彗と一緒だった頃は、まだ春斗には出会っていない。
「彗、それには理由があって。ウチ、親が再婚した時の連れ子同士だから…」
それはあえて隠していることではなかった。
クラスメイトだって承知だし、特にこの学校は中高一貫校だから彼女の姓が変わったその日を知っている人も少なくない。
ただ、打ち明けた相手の最初の反応は、静流を疲れさせるものであるはずだった。
けれども彗は、目をわずかに見開いただけで一層深く笑むと自らを指差す。
「なぁんだ、俺と一緒だな。俺も親がリコンしてさ、オヤジについてったから名字変わんねぇけど」
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