第1章 時のおとずれ

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「えぇ…そうだったの…?」 「だから〝松浦〟なわけね。ナットクナットク」 一人で相槌をうつ彗を春斗は奇異なものを見るように、静流は戸惑いながら、姉と弟で顔を見合わせた。 「遅いわよ、静流。もう授業はじまるじゃないの…アラ?春斗君」 待ちくたびれた月子が教室から顔をのぞかせると、春斗の来訪に姉とは違って驚きもせず受け入れる。 その様子に、つい月子が告げ口したのかと考えた。 「もしかして、月子が言ったの?」 「?なにを?」 彗について何か春斗に言ったのかと思ったが、月子の反応からすると春斗の出現は偶然のようで静流は頭をかしげる。
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