第1章 時のおとずれ

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周りを気にしない月子と春斗は、互いのペースのまま会話を続けていた。 「ちは。月子さん」 「春斗君、また静流に会いに来たの?相変わらずのシスコンね」 「月子さんが言うと、肯定派なんで何の抑止力にもなってませんから」 「あらバレた?」 フフンと笑う月子を眺めていたら、肝心なことを思い出す。 「それで、春斗!さっきの、伝えることって?」 「あ、そうだ。俺、今日委員会のミーティングが中止になったから、夢の迎え行けるよ。だから静流は放課後、何かあるならそれ優先しなよ」 予想していた話とは違ったので、意表を突かれた静流は弟の気遣いに胸すら痛め、ブンブンと勢いよく首をふった。
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