22人が本棚に入れています
本棚に追加
確かに今日の幼稚園へのお迎え当番は春斗だったのを、委員会があるからと静流が交代した。
それは今日に限ったことではなくお互い様だし、特別重要な用事なんて彼女にはなかった。
春斗だって放課後は友達と遊びたいだろうに、律儀に知らせにくるあたり、健気でいじらしい弟なのだ。
まぁそれを月子に言うと、「どこが?愛想無しの代名詞だろうが」と毎回邪険にされるのが不思議でならない。
「せっかくだから春斗こそ、友達と遊んだりしてきたら?」
「いいんだ、本来俺が当番なんだし」
「私は構わないよ?それに、それを言いにわざわざここまで?メールの方が面倒じゃないでしょう」
「それは…」
春斗は控えめな笑みを浮かべて静流を見た。
最初のコメントを投稿しよう!