第2章 待ち人のおとずれ

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いつだって事を荒立てないように、人との衝突を故意に避けて乗り切る静流は、同じ年齢の子達と比べて必要以上に我慢強くなってしまったのだから。 静流は彗を教室から出来る限り遠ざけ、頭一つ分高い彼を正面から睨みつけているが、その様は明らかに苛立っていて、まるで毛を逆立てる猫のようだった。 「静流、どうしたのよ」 「月子…だって彗があまりにも、その…」 それでも最後までは言い淀んだのは彼女の優しさか。 だから言わんこっちゃないと、盛大にため息をついて月子もまた、彗と対峙すべく二人の間に体を滑り込ませる。 月子とて毎日少しの時間さえあれば静流に会いに来る彼の存在は到底無視出来る範疇を超え、観察することが日課になってしまっていた。 それでもこんなに至近距離で対峙することはなく、あらためて彼への評価を見つめ直す。
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