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人懐こい柔和な目尻と、金髪に近い染髪された髪を耳にかけているせいで耳のピアスがキラリと光る程度では、彼が人目を引くには整合性が取れていない。
瞳をのぞきこめば見えてくるものもあろうかと目を凝らしても、常人が持つ輝きと同等のようだと感じつつ、つと彼女は視線で彼の輪郭をなぞる。
下がっている目尻で幼い印象になるからなのか気がつかなかったが、すっきりした鼻梁から薄い唇が艶っぽく、顔一つで少年と青年がアンバランスに混在していた。
そこに彼という個性を縁取る、シルバーのアクセサリーや甘酸っぱい柑橘類の香り、制服も相まって彼は彼を実年齢の高校生として仕立て上げているのだ。
（この人…）
もう少しで核心に触れかけたところだったのに、当の本人に、やおら肩を掴まれて月子は意識を引き戻される。
気づいた時には、彼の視線は静流へと流れ戻ってしまっていた。
「ちょっ、せんぱ…」
「静流。話がしたい」
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