第2章 待ち人のおとずれ

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月子がそうやって身をよじると、立ち替わるように静流が一歩を踏み出して、瞬く間に視線は彼女に集中する。 あと幾分もすれば、昼休みの終わりを知らせる予鈴が鳴るだろう。 だから、静けさの中で話が出来るのも残りわずかなのだと思う。 けれど静流は、そういったことは一切頓着しないという風で彗を見つめ、先ほどとは打って変わった変化に月子は戸惑った。 彼女の背中が、自分から遠ざかってしまいそうな錯覚をおこさせる。 「彗。私にとって、彗は他の人とは違う存在だよ」 「だったら…」 「だからといってそれが、彗にとっての特別となるわけではないでしょう?」
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