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「確か一年に弟がいるみたいで、今年からちょいちょい高等部で見かけるって」
「えー何でそんなこと知ってんの?」
「それが結構可愛い男の子で、実はちょっとファンなんだー」
言ってから、「あ、でも一番はリュウだからね」と補足することも忘れない女生徒の、あからさまな媚へ不快感を示すことなく龍太郎は笑む。
彼女たちの態度が見え透いたものであればあるほど、龍太郎にとっては気安い存在なのだと彼女らは自覚していない。
なぜならば、そのことが龍太郎にとっては悪い意味ではなく、「俺のこと好きだって言ってくれるコは大歓迎」と自ら大手を振って宣言しているほどなのだから。
だから今も一点の曇りもない笑顔で、龍太郎は手招きをして彼女を受け入れる。
「なんでホシ子って言うのか、俺が教えてあげよっか」
「え、リュウ、知ってるの?」
「俺が知らない女の子はいない、でしょ? ホシ子のホシは、星村のホシだよ。途中で名字が変わったみたい」
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