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一行は、アカカブトを発見したと言う森へと向かっていた。
「アカカブトはどれくらい強いのだろうか?」
クリスの問いに、カイルは自慢気に語り出した。
「東洋に伝説の武人が居たのを知っているだろう? 名を、キャノンGゴロウと言う」
「もちろん、キャノンGゴロウの名は知っている。数多の武術の奥義を極め、それらを統合して全く新しい流派を作り上げた偉人らしいね?」
クリスは以前見た、筆に黒いインクで描かれた髭を生やした小さな老人の絵を思い浮かべた。
「そう、そのキャノンGゴロウが師と崇めたのがアカカブトだという」
その話には一同が驚愕した。
「あのキャノンGゴロウが!?」
「あの伝説のキャノンGゴロウが……」
「そう。あのキャノンGゴロウが師と崇めたのだ。すなわち、東洋の虫がこの地で発見されたという事だ! 時代が違うから同一ではないにしろ兎に角レアだ! アカカブトの甲殻や薄羽はレアなアクセサリーに加工出来るだろう」
財宝ハンターのカイルはレアという言葉に目がなかった。
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