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「またパンの配達かよ!?」
クリス少年はダルそうにしながらもギルドマスターから注文書を受け取った。
「きょうびハンター業も不景気でね。何でもやらなきゃ食って行けんだろう? 割の良い仕事はみんな、国営が持って行ってしまう」
不景気と言う割に高級な爬虫類革のスーツを着こなした三十代後半のマスターはオオルバックに決めた髪型をクシで整えながら今日もクリスをなだめている。
クリスは十四歳で家族もなく、ドラゴンハンターを目指しながら生活費を稼ぐ為にこのギルドでバイトをしている。が、半年経った現時点でまともな狩りをした回数は十回に満たない。のみならず狩りの対象はドラゴンどころか鹿等の比較的小さな哺乳類ばかりだった。
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