ハンター

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 ジョンはそれを指差し、クリスに話し掛けた。   「見ろ、これはマタギの仕業だ」   「これが?」   「そうだ。国がハンターの法律を作り狩りの基礎を定めた現代にも、オオカミを神と信仰し昔ながらの狩猟方法で生活している野蛮族だ」   「しかしドラゴンハントに彼らは必要不可欠と聞いたけど?」   「確かに狩りの技術は高い。が、衛生法の観点はまるで駄目だ。我々ハンター技能士は環境衛生の観点から必要な注意事項を遵守し廃棄物を最小限に抑え目的の狩猟物のみを狩る事を商売とするのだ。奴らの様に食い散らかしをそのままにしたり古い信仰で死骸を転がしておくのは野生動物と一緒だ」    クリスは自分がハンター側である事に少しの誇りを持った。が、ハンターの元が彼らマタギから来ているという事実と、その生き方を否定する事には矛盾を感じずにはいられなかった。
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