短編 冬のカイダン

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「別に、意識してねえから、上着脱げばいいぞ」 「今の発言、セクハラで、草壁部長に上げますね」 発言に怒鳴りたかったが、その元気はなかった。 部屋の温度は35度。 東北産まれの竹山は寒さには強いが、暑さには弱かった。 「…何で、停止も出来ねんだ」 一係の面々をあざ笑う様に、天井のエアコンはぶんぶんと絶好調だ。 窓を開ければいいのだが、運の悪い事に、一年に一度の清掃日だった。 早く帰りたいが、月末の為、溜まった書類に皆向かい合っている。 「六時なので、私は帰ります。お疲れ様でした」
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